・白化したイソギンチャクの見分け方
・白化から回復を試みる二つの方法
序章
インスタグラムでも定期的にアップしていたハタゴイソギンチャクが白化してしまった、、
毎日の生活でふと、色が薄くなったと感じた時には時すでに遅し。真っ白なクリーム色のイソギンチャクの完成である。
過去に購入したイソギンチャクが白化していて回復したことは二度あるが、元気なイソギンチャクを白化させたのはこれが初めてだ。
自分はマリンアクアをやらないから関係ないかと思ったそこのあなた!
イソギンチャクが白化?と頭の中に「?」が浮かんだ人、「別に全然きれいじゃない?」と思った人も!
是非「イソギンチャクの白化」という現象を認知してみるのに少々私にお時間をいただきたい。

ん?なんか薄くないと思った9/5から一週間で真っ白になってしまった。
そもそも健康な状態とは
そう、そもそも健康なイソギンチャクは白くない。
「白い」と名前がついているシライトイソギンチャクですら、自然下では薄茶色の個体が多くみられる。
これは触手の中に住む褐虫藻という植物プランクトンの色だ。(褐色の”褐”が入っているとおり。)
イソギンチャクはこの褐虫藻が行う光合成で生産されたエネルギーを貰う、もしくは自分で捕食した魚や貝から直接エネルギーを摂る、いずれかの方法で日々の暮らしに必要なエネルギーを賄っている。

褐虫藻が十分にいるイソギンチャクがどう見えるかイメージをつけるために、
当方のメイン水槽で飼育しているセンジュイソギンチャクの動画を見てほしい
導入当初(下画像)は動画よりもずっと薄いことがわかる。
信じられないかもしれないが、これは同じ個体だ。

今回白化してしまったハタゴイソギンチャク(冒頭のサムネと同じ個体)も2か月前は元気な褐色をしていた。
では白化とはどういう状態か?
白化というのは、先ほど説明した触手の中に住む褐虫藻という植物プランクトンが排出されることである。
余談だがこれは同じ刺胞動物であるサンゴにもみられる現象で、それがいわゆる「サンゴの白化」の正体ということだ。

ただ、ここで重要なことはイソギンチャクもサンゴと同じように白化するということだ。
決して白化したイソギンチャクは「美しい」のではなく、体調が悪いのだ。
白化状態を治す方法として私が知っている二つの方法
丈夫な個体であれば、白化しても死ぬことはない。
大前提として、丈夫というのは導入してから一度も口をだらしなく開いたり、一日に何度も膨らんだり萎んだりしないということだ。
これはイソギンチャクを購入する際によく言われる判断のポイントであり、多くの人がすでに解説しているのでここでは触れない。
これから白化を治す方法について述べるが、注意していただきたいのはそもそも状態の悪い個体の場合この方法を試しても効果はないということだ。
ショップで購入できるものは多くがすでに白化している、かつ丈夫でない個体が多い。
あくまでこれは白化を治す方法だが、もともと状態が悪い個体を回復する方法ではないことを繰り返しお伝えしておく。
話を本題に戻そう。
白化が褐虫藻が放出を意味するのであれば、やることは簡単でどうにかして褐虫藻を戻せば良いのである。
次に紹介する二つの方法は白化した個体とは別に健康なイソギンチャクがいる前提で回復を試みる方法だ。
1.Reef2Reefに掲載された「他のイソギンチャクの触手を捕食させる方法」
この方法では健康なイソギンチャクの触手を切断し、白化したイソギンチャクへ給餌する際にその触手を一緒に吸収させるというものである。彼は冷凍サーモンと一緒に触手を与えていたようだ。
触手吸収後二週間で褐虫藻獲得の兆候が確認でき、最終的に全体的な褐色化と触手の長さが長くなっていることが確認できる。
直接彼の写真を使うことができないので、詳しくは掲載した先のリンクを見ていただきたい(英語のみ)
英語が苦手な方も「Zooxanthellae=褐虫藻」を意味することだけ頭に入れておけば写真も多いので雰囲気で分かるはず、、
2.健康なイソギンチャクと同じ水槽で飼育して褐虫藻をもらう方法
これは私がハタゴイソギンチャクを5年近く飼育していた時に観察し、発見した方法だ。
前述の様に直接褐虫藻を獲得してもらうのではなく、同じ水槽にいる健康なイソギンチャクから間接的に褐虫藻を獲得してもらうという方法だ。
とくに特別なことをする必要はなく、白化したイソギンチャクと健康なイソギンチャクを同じ水槽の中で飼うということだけだ。
この方法での完全回復するまでには一年強かかった。
詳細な経過記録については別ブログにまとめるためそちらをご覧いただきたい。
白化回復におけるポイントと考察
いずれにせよここで大切なことは、白化したイソギンチャクは何とかして褐虫藻を再獲得しイソギンチャクが褐色化する必要があるということである。
褐色化した後は触手が細く長く伸びていけば完全に回復したといえる。
ここからは推測になってしまうが、別段健康なイソギンチャクを持っていなくとも(家にイソギンチャクを二体も飼っている人はあまりいないと思うので)給餌を定期的に行えば白化していてもイソギンチャクに栄養を与え食いつなぐことは理論上できると考える。
ただ、他のイソギンチャクから褐虫藻をもらわなければ永遠に回復不可能なのかどうかは今後調査する必要がある。(肉眼では完全に褐虫藻がいなくなったように見えるが、顕微鏡を使えば微妙に残っていることが確認できたりするのだろうか?一つでも残っているのであれば段階的な褐虫藻の増殖は全然可能だと思うのだけど、、、)
今回は方法1.で回復を試みたいと思う。
メイン水槽にいる健康なセンジュイソギンチャクの触手を数本頂戴し(ごめんね(>_<))、サーモンに混ぜて白化したハタゴイソギンチャクに捕食させてみた
今後も定期的に記録していきます
残念ながら白化の直接的な原因は今回特定できていない、この水槽ではクーラーを使わず濾過能力試験のために一か月程度水替え行っていなかった。そのため環境変化と水質に対するストレス反応を見せたと考えることはできる。
いずれにせよこの個体(美ら海熱帯魚さんより購入した石垣島のハタゴイソギンチャク)はだらしなく口を開いたことは一度もなく、元が健康であることに変わりはないのでそれほど心配はしていない。
今後も定期観察記録を付けながら様子を見ていきたい。
※2026/10/03追記
サーモンと共にセンジュイソギンチャクの触手をハタゴイソギンチャクに給餌してから二週間程度経過した。
Reef2Reefでは二週間で褐虫藻の再獲得の兆候がすでに確認できていたので、予想とは異なった結果となっている。
回復を少しでも早めるために、同じ水槽にセンジュイソギンチャクを移動させしばらくハタゴイソギンチャクと同じ環境で飼育することに変更した。
